フランスから届いた、夜が少しだけ待ち遠しく楽しく思える翻訳絵本『きみだけの夜のともだち』

フランスの文学賞、ランデルノー賞の2021年受賞作品『Gaspard dans la nuit』の日本語翻訳版。夜がテーマにも関わらず、色鮮やかな絵が印象的な1冊だ。

真っ暗になった夜、ベッドに潜り込んだ男の子が、急に不安に駆られる。物陰に人が潜んでいるのではないか、何か物音かしたかも、と不安に押しつぶされそうになったとき、小さなネズミが現れて、「きみ、夜だけのともだちをさがしてるんでしょ!」。 男の子とネズミは、家の中のあらゆる部屋を訪れて、悩みを抱えた登場人物たちと出会い……。

著者のセング・ソウン・ラタナヴァンは、 1974年生まれ。パリ国立高等美術学校卒業後、フランス国内外で定期的に作品を発表している。2016年に自身初の児童書『Attends Miyuki』を出版。『Au lit Miyuki』(2017)、『Merc iMiyuki』(2018)とシリーズを続けている。
訳者の西加奈子は、1977年、イランのテヘラン生れ。エジプトのカイロ、大阪で育つ。2004年に『あおい』でデビュー。2007年に『通天閣』で織田作之助賞、2013年に『ふくわらい』で河合隼雄賞受賞。2015年に『サラバ!』で直木三十五賞受賞。自身も一児の母で、『きいろいゾウ』『めだまとやぎ』『きみはうみ』などの絵本も出版している。


『きみだけの夜のともだち』
ポプラ社刊

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