古代メソポタミアで生まれ、アール・ヌーヴォー期にフランスで花開いたガラス工芸の「幻の技法」の紹介本「パート・ド・ヴェール」

パート・ド・ヴェール(Pâte de verre)とは、古代メソポタミアで作られ、アール・ヌーヴォー期にフランスで花開いた、ガラスの成形技法のこと。

日本語で「練りガラス」を意味するこの技法は、粉状にしたガラスをのりで練って、耐火型に貼り付けて焼成するものだ。
ひとつひとつ型を作る必要があるため量産には向かず、衰退と隆盛を何度も経たことから「幻の技法」とも呼ばれる。

著者の由水 直樹(よしみず・なおき)はパート・ド・ヴェールの作品を中心に発表している硝子作家で、HALI’S Glass Art Studio(東京・自由が丘) を主宰し、東京ガラス工芸研究所講師を務める。

本書では、パート・ド・ヴェールの技術を惜しみなく公開し、スタンダードな5つの型取り法を、18点の作品の作り方とともに紹介。ピーナツやバナナから型をとったユニークなものから、ケーキをイメージした小箱、器、アクセサリーなど、色やレリーフの美しさも楽しめる作品をとおして、技法が身に付けられる。

パート・ド・ヴェール: 型に詰めたガラスパウダーを電気炉で熔かして作るインテリア・器・アクセサリー (ガラス工芸の基本技法)

著者:由水 直樹
撮影:岡本譲治
発行:株式会社 誠文堂新光社

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