堀内誠一は、マガジンハウス社の『anan』、『POPEYE』、『BRUTUS』の創刊に関わり、雑誌におけるエディトリアルデザインの先駆的な偉業を成したアートディレクター。また、絵本作家としても『マザー・グースのうた』、『たろうのおでかけ』など多くの名作を手掛けている。
1973年、堀内は、雑誌やデザイン仕事とはすっぱり縁を切り、数本の絵本の仕事を抱え、家族を連れてフランスに行き、パリ郊外で暮らし始めた。
本書は、渡仏当時まだ13歳だった長女、花子がフランス生活そして亡き父との思い出を綴った回想録。フランス語が全く分からないまま、パリのカトリック女子校に入学したエピソード、家族の異国での生活の様子、日本から訪ねて来る、澁澤龍彦、安野光雅、石井桃子などの作家たちとの交流の思い出が綴られている。
巻頭には、堀内誠一の手によるイラスト、ポスター、絵手紙、家族写真などを多数収録。装画・挿絵はもちろん、すべて堀内誠一の作品だ。
『父・堀内誠一が居る家 パリの日々』
著者：堀内花子
発行： 株式会社カノア